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Govtech(ガブテック)とは?推進するメリットや国内事例についても紹介!

最近、新聞やニュースなどで「Govtech(ガブテック)」という言葉を見聞きすることが増えてきているのではないでしょうか。Govtech企業やGovtechサービスなどの言葉がさまざまな媒体で用いられているように思います。「Govtech」は、「Government」と「Technology」を掛け合わせた言葉になりますが、どういった内容を意味するのでしょうか。この記事では、「Govtech」について解説するとともに、国内事例やGovtech企業についても紹介します。

こんな方におすすめ

  • Govtechについて知りたい方
  • Govtechの国内事例について知りたい方

この記事でわかること

  • Govtechの意味
  • Govtechとマイナンバーカードの関係性
目次

Govtechとは

「Govtech(ガブテック)」は、「行政・政府(Government)」と「技術(Technology)」を掛け合わせた言葉です。つまり、Govtechは、コンピュータやAIなどのデジタル技術を用いて、行政サービスの向上や行政課題の解決を図ることを意味します。

例えば、人工減少や少子高齢化によって引き起こされる課題を解決するために、デジタル技術を用いることが考えられます。実際に、窓口業務の軽減を目的として、電子申請を導入する行政機関や地方公共団体などが増えてきています。具体的な事例については、後述することとします。

参照:一般社団法人Govtech協会「Govtechとは」https://govtech-japan.org/

Govtechを推進するメリット

Govtechを推進することにより、以下のようなメリットが得られると考えられます。

地域住民の利便性の向上

Govtechを推進することにより、地域住民は行政手続きの効率化や窓口での待ち時間短縮などの恩恵を受けることができるようになります。

また、土日祝日や深夜などの役所の閉庁時間にデジタルサービスで申請などのやり取りを行うことができれば、行政手続きのために休暇を取る必要がなくなるため、住民が効率的に時間を使うことができるようになります。

地域住民と自治体の信頼感の醸成

税金を払っているにもかかわらず行政サービスが行き届いていないと、地域住民は行政に不信感を抱きます。Govtechを推進することで地域住民が行政サービスを使いやすいと感じれば、それだけ自治体への信頼感が醸成されます。

行政の効率化

Govtechの推進は地域住民だけでなく、行政組織の内部にも恩恵をもたらします。デジタル技術を活用することで、ペーパーレス化、素早い意思決定、リアルタイムでの情報開示やプッシュ通知などが可能になるでしょう。

また、行政の効率化を進めれば無駄なコストを削減したり、必要な人材を別の仕事にアサインすることもできるようになります。

Govtechが実現する4つのこと

Govtechが進むことにより、主に以下の4つの点で行政サービスが向上すると考えられます。

行政手続きのオンライン化

Govtechにより、地域の住民や事業者が行う行政手続きをオンライン化することができます。補助金や助成金、その他の行政サービスをオンライン申請可能にすることで、直接役所に出向く必要がなくなり、役所窓口の混雑解消、地域住民の利便性向上につながります。

窓口対応のDX

Govtechは、手続きが煩雑で時間のかかる窓口対応のDXにも寄与します。

例えば、自治体窓口DX「書かないワンストップ窓口」というサービスでは、役所窓口での「書かない、待たない、回らない、ワンストップ窓口」が実現しています。

窓口での受付待ち時間や申請書を書く手間が省けることで、行政サービスの質の向上が図れます。

参考
デジタル庁|自治体窓口DX「書かないワンストップ窓口」

行政の業務フローの改善

Govtechによって行政の業務フロー改善を推進することも可能です。

例えば、Govtech東京では、都庁各局DXとして、デジタル人材を活用した業務フローの改善等を行っています。構想段階での計画策定支援や要件定義段階での業務フロー整備支援など、デジタル人材が初期段階から上流工程で関わることにより、行政の人材だけでは困難なデジタルサービスの構築を可能にします。

参考
GovTech東京|都庁各局DX

住民の問い合わせへの効率的な対応

住民からの問い合わせをデジタル技術で効率化することも、Govtech領域のトピックのひとつです。

例えば、チャットボットの導入や、よくある質問への回答をSMSで自動送信することで、自治体職員の仕事を大幅に減らすことができます。

参考
Graffer|自動音声による電話案内で約45%の応答業務を削減「目に見えて電話が減った」大阪府吹田市

Govtech企業一覧・カオスマップ

Govtechを事業内容とする企業にはさまざまなものがあります。例えば、オンライン上で行政サービスの提供、住民参加を実現する際に必要な厳格な本人確認サービスや自治体職員が簡単に電子申請フォームを作成できるサービスなどを提供しているxID(株)、政治家が行う政策をオンライン上で見える化し、コメントの投稿や進捗のチェックができるサービスを提供する(株)PoliPoli、行政規制・行政手続きに特化して、テクノロジーの社会実装を支援する(株)ジーテックなどがあります。

また、業界団体として、(一社)Govtech協会があります。Govtech協会では、⺠間企業による⾰新的なGovtechサービスが⽣まれやすい環境、法制度の整備に必要な具体的な政策提⾔や、共創・競争環境の整備を推進しています。

他にどのようなGovtech企業があるか知りたい方は、2023年にGovtech協会が幅広くGovtech分野で活躍する企業や団体を一覧にした『Govtechカオスマップ2023』をご覧ください。

Govtechカオスマップ2023
プレスリリース「Govtech協会、『Govtechカオスマップ2023年版』を公開」より引用
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000117134.html

日本におけるGovtechや行政DXの事例

Govtechに関連するサービスを提供する企業や業界団体が増加してきているところ、国の行政機関や地方公共団体では、どのような取り組み事例があるのでしょうか。地方公共団体における事例について、いくつか紹介したいと思います。

石川県加賀市

石川県加賀市は、xIDが提供する自治体職員向けの行政申請フォーム作成ツール「LoGoフォーム」とデジタルID「xID」を連携させた「LoGoフォーム電子申請」を全国で初めて導入しました。あらゆる行政手続きを簡単にオンライン化できるLoGoフォーム電子申請を導入することで、住民生活の利便性向上を図っています。

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xIDと地方自治体によるデジタル化事例まとめ

茨城県つくば市

茨城県つくば市では、VOTE FORとxIDが開発したネット投票システムを用いて、全国で初めてマイナンバーカードによる個人認証とネット投票をスマートフォンで完結させる仕組みを実現しました。つくば市はこの取り組み以前に2度ネット投票の実証実験を行ってきましたが、この取り組みによって、投票数を前年の倍以上に伸ばすことに成功しました。

みんなのデジタル社会 2021年7月12日「xIDによるインターネット投票の取組事例まとめ」
https://media.xid.inc/government-dx/e-voting/) より抜粋

参考:つくば市プレスリリース「【全国初】デジタルIDアプリを活用したインターネット投票で「With/Afterコロナの生活スタイル」の社会実証事業を選定!」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000297.000028199.html

東京都

東京都では、デジタルサービス局が設けられ、さまざまな取り組みが行われています。また、「一般財団法人GovTech東京」を設立し、2023年9月から事業を開始する予定です。「GovTech東京」では、東京都のデジタルサービス局と連携し、都庁各局や区市町村のDX、デジタル人材の確保・育成、データ利活用などに取り組んでいます。

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東京都|GovTech東京

兵庫県神戸市

兵庫県神戸市では、「e-KOBE」という神戸市スマート申請システムを運用しています。これにより、神戸市への申請や届出をスマートフォンやパソコンで行うことができます。また、このシステム内に設けられている「手続き判定ナビ」では、市民一人一人に対して必要な手続きを案内することができます。

参考
神戸市|e-KOBE

Govtech領域におけるマイナンバーカードの活用

ここまでご紹介してきたとおり、Govtechの取り組みはさまざまな自治体で、多様な方法で行われています。

そして、いずれのサービスにおいても重要になることが、オンライン上で正確な本人確認を行うことです。対面であれば、マイナンバーカードや運転免許証などに記載されている顔写真と本人を目視で確認することで、本人確認を行うことができていました。

これに対して行政手続きなどをオンライン上で行う場合には、このような本人確認もオンライン上で正確に行う必要があるのです。

マイナンバーカードの公的個人認証サービスを活用すれば、オンライン上で正確な本人確認を行うことができます。マイナンバーカードには、電子証明書が内蔵されており、スマートフォンやパソコンで認証を行うことで、厳格な本人確認を実現しています。

※マイナンバーカードの利活用については下記の記事をご覧ください。

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マイナンバーカードの利活用についてまとめて解説! マイナンバーカードの普及率が上昇するにつれて、健康保険証利用や銀行口座との連携など利活用の場面も増えてきています。そして、今後も運転免許証など多くの場面でマイナンバーカードの利活用が展開される予定となっています。この記事では、マイナンバーカードの利活用に関する解説をまとめて紹介します。

Govtech関連イベント

一般社団法人Govtech協会とアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社主催で開催されたイベントが、2023年6月30日に開催されました。自治体DXや自治体デジタル化に取り組み元自治体職員や企業担当者が参加し、Govtechの現状、今後の課題についてディスカッションされました。

みんなのデジタル社会では、イベント当日の様子を記事にしておりますので、ぜひ下記よりご覧ください。

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まとめ

以上のように、Govtechは、国や地方公共団体といった行政がデジタル技術を用いてさまざまな課題を解決することを意味します。Govtechに関連するサービスを提供する企業は多く存在し、それらのサービスを活用した多様なGovtechの事例が生まれています。

こうしたテクノロジーを使用するにはオンライン上での本人確認が重要になり、現在、多くの場面でマイナンバーカードを用いた本人確認が用いられています。

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