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Govtech Meet up〜官民そろそろぶっちゃけナイト〜イベントレポート

Govtech Meet up〜官民そろそろぶっちゃけナイト〜イベントレポート

一般社団法人Govtech(ガブテック※)協会とアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社主催で開催された「Govtech Meetup~官民共創そろそろぶっちゃけナイト~」。本イベントは、自治体DXや公共サービスのデジタル化に取り組む自治体職員や、スタートアップ企業、企業担当者に向け、新しい官民連携のあり方を考える場を提供する目的で開催されました。

今回は、イベントの中からGovtech協会代表理事の日下のオープニングトークと、各登壇者のパネルディスカッションの内容をレポートします。

参考
※…Govtech(ガブテック)とは、コンピュータやAIなどのデジタル技術を用いて、行政サービスの向上や行政課題の解決を図ることを意味します。 「Govtech(ガブテック)とは?推進するメリットや国内事例についても紹介!」より 

目次

オープニングトーク

本イベントは、Govtech協会代表理事の日下によるオープニングトークからスタートしました。オープニングトークでは、Govtech(ガブテック)協会の成り立ちやGovtechの現状、今後の課題について語られました。

Govtech協会代表理事の日下によるオープニングトーク

一般社団法人Govtech協会代表理事 日下 光
一般社団法人Govtech協会代表理事 日下 光

日下:Govtech協会は2022年の11月に設立された団体であり、文字通りGovtechを推進するために創られた組織です。2023年の4月にはG7のブースに出展し、5月から正式に会員募集を始めているというところで、様々な企業が申し込み審査中となっております。

Govtechという言葉自体は、当然皆さんご関心がありお集まりだと思います。この言葉自体は10年ほど前から日本でも使われた言葉ですが、これからのGovtechは行政がテクノロジーを使うだけではなく、ユーザー側にもフレンドリーなサービスを持続可能なかたちでつくりあげることが求められると考えています。

Govtech協会としては、官民の境界線を溶かして公共・行政分野に新しい価値共創モデルを実現することをミッションとしております。これは、単に企業がサービスの提供者、行政がそのサービスの買い手になるという公共調達の域を超えて、持続可能性を両者で追及していくことに帰結すると考えております。

実際に、様々な地域で、すでに企業が公共調達に参加するだけではなく、持続可能なGovtechサービスの維持の仕方が検討・推進・実現されていると思います。こうした情報を集約しながら、ビジネスモデルの再現性を高め、多くの事業者にこの領域に参入いただきたいと考えております。

官民共創そろそろぶっちゃけナイト登壇者によるスピーチ

次に、元々自治体DXで活躍されていたゲスト4人による「官民共創ぶっちゃけナイト」が開催されました。スピーカーは、一般社団法人Code for Japan /Govtech推進コンサルタントであり元横浜市職員の石塚清香さん、特定非営利活動法人 Digital Government Labs 代表理事で元船橋市職員の千葉大右さん、TIS株式会社 デジタル社会サービス企画ユニット デジタル社会サービス企画部 エキスパートで元加古川市職員の多田功さんの3名。ファシリテーターにAWSジャパン パブリックセクター官公庁事業本部 本部長の大富部貴彦さんを迎え、それぞれのバックボーンから考える「官民共創」のあり方について、熱い議論が交わされました。

これより、各スピーカーによる官民共創に関する議論をダイジェストでお届けします。

大富部:先ほど、日下さんから行政と民間は受発注の関係を超えて共創しなければならないという話がありました。そこでまずは、お三方が考える共創についてお話いただけますか?

石塚 清香さん 一般社団法人Code for Japan /Govtech推進コンサルタント、元横浜市職員
石塚 清香さん 一般社団法人Code for Japan /Govtech推進コンサルタント、元横浜市職員

石塚:私は横浜市の中で民間企業と共創的取り組みをすることも多かったので思うのは、お互いWin-Winの関係に持っていくということが必要だということです。行政はお金はないけれど地域資源を持っていたり、市民に直接アクセスできたりという強みがある。こうしたリソースを持ち寄って取り組みを進めることが共創のあるべき姿だと思っています。 実際に私も携わっていた地域の防災システムでは、民間企業が開発したプロダクトを実際に使ってみて、使いやすさを確認したり、どうすればもっと皆さんに使っていただけるかといった検証の部分にご協力しました。行政としては、サーバーリソースに多少お金を払ってはいますが、システムの開発という面では本当に微々たる金額しかお支払いしてません。その代わり、ビジネスとして成り立つものをつくっていく。行政の課題と言っても、横浜だけの課題というのはあまりなく、自分の自治体で解決できるなら、同じように解決できる自治体も絶対にあるはずなので、一つ役立つものをつくって横展開していく、そのためには民間さんの力が必要なのだと思います。

多田 功さん TIS株式会社 デジタル社会サービス企画ユニット デジタル社会サービス企画部 エキスパート、元加古川市職員
多田 功さん TIS株式会社 デジタル社会サービス企画ユニット デジタル社会サービス企画部 エキスパート、元加古川市職員

多田:民間企業さんも、1700ある自治体すべてにアプローチすることは不可能ですよね。一方で、自治体も自分たちの区域を超えることはできない。よくあるのが、民間事業者さんが持ってきてくださるソリューションをフィールドで試すときに、事業者さんに募集をお願いしても誰も集まらないんです。ところが、僕が加古川市の名札を持ってお願いしたら、なぜか使ってくれることが多々あります。お互いの得意なところ、不得手なところがある中で、うまく支え合いながら儲かっていく仕組みを地域に残すことが重要です。反対に、儲けられない仕組みを持ってきて、全部行政に負担させようとするサービスは持ってこられても拒絶していましたね。

千葉 大右さん 特定非営利活動法人 Digital Government Labs 代表理事、元船橋市職員
千葉 大右さん 特定非営利活動法人 Digital Government Labs 代表理事、元船橋市職員

千葉:先ほどの受発注の関係で申しますと、私のところにも民間事業者さんから色々な話が来ます。役所の立場としてはお相手はするわけですが、自分たちの課題感にマッチしたソリューションがプレゼンされることはなかなかなく、そこで話が終わってしまうことがほとんどです。そうすると、関係の連続性もなく、せっかく出会ってもそれっきりになってしまうことが多くもったいないなと感じてしまいます。

こうした想いから、私はNPOを設立しました。要は出島をひとつ作って、役所も民間事業者さんも自分の領域から一歩踏み出して、お互いのためになることを試行錯誤する場です。この出島では、お互いの後ろにいる人達と繋がれるというメリットがあります。例えば、相手側が持ってきたサービスやソリューションが、自分たちにとってはまだ求められていないと感じても、他の自治体に話をつなげることで、行政と民間の連続した関係を保っています。今回のテーマは官民”共創”ですので、今目の前にある課題をどうにかするだけではなくて、お互いに協力し合える関係づくりや仕組みを構築できれば良いのかなと考えています。

まとめ

本レポートでは、元自治体職員である3名のスピーカーの発言をダイジェストでまとめました。本イベントはその後も、3名のスピーカーによる質疑応答や、Govtechスタートアップ4社によるLightening Talkなどが繰り広げられ、会場は熱気に包まれていました。

「みんなのデジタル社会」では、今後も”デジタル社会のわかりにくいを簡単に”をモットーに情報発信をします。

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