みなさんが引っ越しをするときには、官民を問わずさまざまな手続きを行う必要があります。これらの手続きをオンラインで行うために、政府は「引越しワンストップサービス」を提供しています。引越しワンストップサービスは、マイナポータル等を通じて引越しに関するさまざまな手続きを行うことができるようにするものです。他方で、オンラインで手続きを行う場合には、本人確認もオンライン上で行う必要があり、そのためにマイナンバーカードが必要になります。この記事では、引越しワンストップサービスの中でも、主に「転出届」を提出する方法について解説していきます。
こんな方におすすめ
- これから引越しをする予定の方
- マイナンバーカードを既に所有している方
この記事でわかること
- マイナンバーカードを使って転出届を提出する方法
- マイナンバーカードを使った引越しの手続き
「引越しワンストップサービス」とは
みなさんが引越しをする場合、転出入先の行政機関に対して行政手続きを行ったり、民間事業者に対して手続きを行う必要があります。これらの手続きは、何度も氏名や住所を書いたり、いろいろな窓口に行かなければならなかったりと、何かと面倒なことが多いです。
そこで、これらの手続きをオンライン上で行うことができるようにするために、政府によって引越しワンストップサービスが提供されています。引越しワンストップサービスは、市区町村への行政手続きだけでなく、ライフライン(電気・ガス・水道)等の民間手続きも含め、引越しに伴う手続きをオンラインにて一括で行うことを可能とする仕組みとなっています。
引越しワンストップサービスで出来ることは、以下のようになっています。
以下では、転出届と転入届について解説していきます。
「引越しワンストップサービスはいつから?法律や今後の動きについて解説」

転出届を提出する方法
引越しワンストップサービスでは、2023年2月6日より、全ての市区町村でマイナポータルを通じた、転出届の提出が可能となります。これにより、転出元の市区町村への来庁が原則不要となります。
このサービスでは、マイナンバーカードに搭載された電子証明書を用いることによって、オンライン上で正確な本人確認を行っています。そのため、引越しワンストップサービスを用いて転出届を提出するためには、マイナンバーカードが必要となります。
引越しワンストップサービスを用いて転出届を提出する場合、まずはマイナポータルにアクセスします。そして、マイナンバーカードを用いて本人確認を行い、各市区町村に対する手続きを行います。
なお、デジタル庁によれば、今後はマイナポータル以外の民間の引越しポータルサイトでも引越しに関する手続きができるようになるとのことです。
デジタル庁|引越しワンストップサービス
デジタル庁|よくある質問:マイナポータルを通じたオンラインによる転出届・来庁予定の連絡(転入予約)について
転入届を提出する方法
引越しワンストップサービスでは、転出届をオンライン上で提出することができたことに対して、転入届をオンライン上で提出することはできず、転入の予約をすることができるに止まります。転入予約も、転出届と同様に2023年2月6日から運用が開始されます。
転入届をオンラインで提出できない理由について、デジタル庁は、「転入届については、これが受理されることで住民基本台帳に記載され、これを基礎として各種行政事務が行われることから、転入届出者の実在性・本人性を厳格に確認することが不可欠であり、対面で手続を行う必要があります。」と説明しています。
転入予約の場合も、マイナンバーカードに搭載された電子証明書を用いることによって、オンライン上で正確な本人確認を行っています。そのため、引越しワンストップサービスを用いて転入予約をするためには、マイナンバーカードが必要となります。
マイナポータルを通じて転入予約をすることによって、引越しをする方は、転入先市区町村での必要な手続きや持ち物の確認、手続き漏れや持ち物忘れを防止することができます。
また、転入先の市区町村は、転出証明書情報の事前通知や来庁予定の連絡を通じて、転入届の受理等のための必要な準備を行うことも可能となります。そのため、来庁時の手続きの効率化を図ることができます。
まとめ
ここまで見てきたとおり、2023年2月から引越しに関する手続きをオンラインで行うことができるようになります。この記事では、転出届と転入予約に限定して解説をしましたが、今後、さらにオンライン手続きの種類などが拡大する予定なので、さらに便利になるでしょう。