毎年1回の確定申告。現在では、確定申告の際には個人番号の提出が義務となっています。確定申告を実施する際にマイナンバーカードを持っていればより効率的に手続きを行うことができます。条件次第では控除額の優遇措置を受けられることも可能です。納めた税金がより多く返ってくる、ということも十分にあり得ます。そこで今回は、「自宅でできる確定申告」について解説していきます。
こんなかたにおすすめ
これからe-Taxに挑戦する方
個人事業主としての仕事を始めたばかりの方
自宅で確定申告を済ませたい方
この記事でわかること
確定申告におけるマイナンバーカードの役割について
e-Tax利用者に対する優遇措置の内容について
確定申告が自宅でできる時代に
確定申告の時期になると、各市区町村は大きな施設を貸し切って臨時の「確定申告会場」を設置します。
しかし、今や確定申告は自宅でできるようになりました。マイナンバーカードを所持している申告者は、ICカードリーダーを備えたPCかマイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンを利用し、e-Tax上で全ての申告作業を完結させることができます。このe-Taxは書類作成・提出のプロセスを簡略化し、還付金振り込みの早期化や控除額優遇を実現させます。
e-Taxを利用した場合の利点・特典
次に、e-Taxを利用した場合の利点(提出作業の簡素化、24時間対応、還付金振込の早期化)や特典について解説します。
書類提出の省略
e-Taxを利用することで、生命保険料控除の証明書等、これまで必ず提出しなければならなかった書類を省略することが可能になります。
生命保険会社の名称、保険の種類、支払額等をプラットフォームに正しく入力すれば、それを裏付ける書類を提出する必要はありません。「保管用に証明書のコピーを取る」という手間を省くこともできます。
e-Taxなら提出書類を省略することができる!
24時間いつでも申告可
e-Taxを使えば、確定申告期間中は基本的に24時間いつでもプラットフォームを利用することができます。
ただし、プラットフォームのメンテナンスが行われている場合は利用が制限されまするのでホームページなどで確認が必要です。
e-Taxなら確定申告で待つ必要がない!
還付金振り込みの早期化・迅速化
e-Taxを利用し、なおかつ還付金が発生した場合、振り込みは従来の申告よりも早期に実施されます。
既存の申告手続きでは還付金の支払手続におおむね1か月から1か月半程度の期間が必要ですが、e-Taxで提出された還付申告はおおむね3週間で処理されます。ただし、必要書類の不備や提出の遅れがある場合はその限りではありません。
控除額の優遇(青色申告特別控除額の改定)
令和2年分の青色申告特別控除額が改定され、65万円から55万円に引き下げられました。
ただし、e-Taxで申告すると引き続き65万円の特別控除が受けられます。10万円分の優遇措置があるということです。

e-Tax(マイナンバーカード方式)に必要なもの
e-Taxの利用方式は2つあります。ひとつはID・パスワード方式、もうひとつはマイナンバーカード方式です。ここでは、税務署に開始届出書の提出を必要としないマイナンバーカード方式に絞って解説します。
自宅でのe-Tax申告には、マイナンバーカードのICチップを読み取るためのカードリーダーが必要です。カードリーダーを内蔵しているPCや外付けのカードリーダーを利用し、ICチップを読み取ります。最近では大手家電量販店でもカードリーダーが販売されるようになりました。

また、スマホで確定申告をする場合は、マイナンバーカードの読み取りに対応した機種が必要です。
マイナンバーが分からない時の確認方法
自分のマイナンバーが分からず困っている方は下記の方法でマイナンバーを確認することができます。
- マイナンバーカードの券面を確認
- マイナンバーが記載された住民票を取得
- 通知カード
より詳細にマイナンバーを調べる方法を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

マイナンバーとマイナンバーカードってどう違うの
ここまでマイナンバーカードを活用した確定申告の方法について解説してきました。
よく混同される方が多いのですが、マイナンバーカードとマイナンバーの違いはご存じでしょうか。
確定申告にあたって、一度マイナンバーカードとマイナンバー、それぞれの役割や用途をご理解いただくと、よりスムーズに申請を行えます。
