マイナンバーカードがあれば便利な場面は様々ありますが、そのひとつに「海外送金」が挙げられます。海外送金サービスを利用する際は、必ずマイナンバーと身分証明書を提示しなければなりません。(※)この時にマイナンバーカードを持っていると、住民票や印鑑証明書等を別に用意する必要はなく、カードのみで海外送金を実行することができます。今回の記事では、「海外送金とマイナンバーカード」というテーマで解説したいと思います。
こんな方におすすめ
- 海外旅行に行く際の送金が不安な方
- 海外送金にマイナンバーカードを使えるのか知りたい方
この記事でわかること
- 海外送金に必要な書類
- 海外送金の際のマイナンバーカードの活用方法
マネーロンダリング防止のための身元確認
海外送金で請負業者が最も注意すべき点は、海外へ送られるお金がテロ組織や反社会的勢力の資金源になっていないかということです。これは世界各国で対策が施されていますが、日本も例外ではありません。
金融庁は「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」を各金融機関に送付し、海外送金依頼主の身元確認の徹底を呼び掛けています。
以下、大手海外送金事業者のウエスタンユニオンとWiseを例に取り、それぞれの送金に関する規約を見ていきましょう。
参考
金融庁|金融機関等における送金取引等についての確認事項等について
ウエスタンユニオンにおける海外送金
かつては電信事業を手掛けていたウエスタンユニオンは、今では世界有数の海外送金事業者として知られています。日本の都市部でも、黄色と黒の特徴的なロゴを頻繁に見かけます。
コンビニエンスストアや金券ショップでもウエスタンユニオンのサービスを利用することができるため、抜群の利便性を誇ります。
送金に必要な書類
日本国籍を持つ人がこのウエスタンユニオンの海外送金サービスを利用する際に必要な本人確認書類は、以下の通り。
- マイナンバーカード
- 日本国内発行の運転免許証
- パスポート
ただし、パスポートを提示する際は住所を確認するための以下いずれかの追加書類が必要です。
- 国税、地方税、自動車税の領収書(発行から6ヶ月以内のもの)
- 住民票、除票(発行から6ヶ月以内のもの)
- 印鑑証明書(発行から6ヶ月以内のもの)
さらに、本人確認書類とは別の「マイナンバー確認書類」が別途求められます。
- マイナンバーカード
- 住民票(マイナンバー記載のもので、発行から6ヶ月以内のもの)

これらを鑑みると、当初からマイナンバーカードを提示すればそれ1枚で本人確認とマイナンバー確認をパスすることができます。マイナンバーカードがなくても海外送金は可能ですが、複数の書類を持参しなければなりません。
スマホアプリ金融サービスWiseにおける海外送金
次はスマホアプリで送金を完結できることで知られるWiseです。「実店舗に行かなければ海外送金はできない」という固定概念を打破したサービスとして、近年多くの利用者を集めています。
一方で、Wiseも初回利用時に本人確認を利用者に対して求めます。日本居住者がWiseを利用する場合、やはりマイナンバーの提示が必須です。
送金に必要な書類
日本在住者がWiseを利用する際に必要な本人確認確認書類は、以下の通り。
- マイナンバーカード
- 日本国内発行の運転免許証
- パスポート
- 在留カード
このうち、マイナンバーカード以外の身分証明書はマイナンバーを確認できる以下の追加書類が必要です。
- マイナンバー通知カード
- 住民票(発行から6ヶ月以内のもの)

Wiseも上述のウエスタンユニオンと同じく、マイナンバーカードがあればそれだけで本人確認を完結できる仕組みになっています。なお、Wiseの場合は専用のスマホアプリを使ってマイナンバーカードを写真撮影し、画像をアップロードする手順を踏まえます。
参考
WISE|[公式]Wiseの本人確認の方法や必要書類、マイナンバーの有無まで徹底解説!
在住外国人もマイナンバーカードを作成することが可能
こうして見ると、海外送金の際はマイナンバーカードを活用したほうが簡単に手続きができるということが分かります。もちろん、外国人であっても日本の自治体に住民票があればマイナンバーカードを作成することができます。
上述の通り、今や海外送金の際にマイナンバーを聞かれないということはまず起こり得ません。しかし一方で、本人確認書類とは別のマイナンバー確認書類を用意するのはやはり手間がかかってしまいます。その手間を解消する上でも、マイナンバーカードは非常に便利な公的証明書と言えます。
