押印廃止でこう変わる! マイナンバーカードの使い道

政府は令和2年7月に、行政手続きにおいて押印を廃止する方針を決定しました。そして、令和2年12月には一部を除く多くの行政手続きで押印が廃止されました。この記事では、「そもそも押印ってどうして必要だったの?」、「どうして押印は廃止されたの?」という疑問に答えるとともに、「押印を廃止した先の行政手続き」についてもあわせて解説していきたいと思います。

こんな方におすすめ

  • 押印廃止の理由を知りたい方
  • 押印廃止に不安を抱いている方

この記事でわかること

  • 政府が押印を廃止した理由
  • 押印廃止によって高まるマイナンバーカードの重要性
目次

どうして押印は廃止されたの?

令和2年の年末にかけて、「行政手続きにおける押印の廃止」に関するニュースを目にすることが多かったのではないでしょうか。ここでは、これまでなぜ押印が必要だったのか、そして今回の押印廃止をめぐる議論の経緯を解説していきます。

押印が求められている趣旨

押印が求められている趣旨として、以下のように考えられてきました。

本人確認手段
文書作成の真意確認(本人に文書を作成する意思があるかどうか)
文書内容の真正性の担保(文書の内容が正しいかどうかの担保)

つまり、押印は「本人確認(①)」、「意思表示(②、③)」を証明する手段として用いられてきたといえます。しかし、これらの証明は必ずしも押印で行う必要がないようにも思われます。

押印廃止の理由

押印が求められる趣旨には「本人確認」、「意思表示」を証明することがありました。しかし、様々な技術やツールが存在する現代において、押印がこれらを証明する唯一の手段である必要はありません。

政府は、新型コロナウイルス感染拡大を防止するために、役所での窓口対応を減らすことを考えています。また、デジタルガバメントを実現するために、紙面や対面での本人確認や意思表示の証明を他の手段で行えるように取り組んでいます。こういった理由から、政府は行政手続きにおける押印を可能な限り廃止することとしました。

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Refarence
内閣府「地方公共団体における押印見直しマニュアル」

全ての手続きで押印が廃止された?

政府は、令和2年7月に「規制改革実施計画」を決定しました。そこには、まず新型コロナウイルス感染症対策の緊急対応として行政手続きにおける押印を廃止すること、次に全ての行政手続きを見直して恒久的に不要な押印を廃止することを示しました。その結果、15,188種類(約97%)の押印が廃止されました(令和2年度末時点)(内閣府「押印を求める行政手続の見直し方針(根拠別集計)」)。ここでは、私たちがよく利用する行政手続きにおいて「廃止された押印」、「廃止されない押印」を紹介していきます。

法務省「法務省における書面・押印・対面規制の見直しに係る関連情報」外務省「外務省における行政手続等の書面・押印・対面規制の見直しに係る関連情報」国税庁「税務署窓口における押印の取扱いについて」文部科学省「学校が保護者等に求める押印の見直し及び学校・保護者等間における
連絡手段のデジタル化の推進について」
内閣府「押印を存続する手続き」

廃止された押印

私たちがよく行う手続きの中で廃止された押印(署名)の例は以下の通りです。

・戸籍証明書の請求書への押印
・パスポート発行申請書への署名
・相続税に関する書類への押印
・学校が保護者に対して求める押印

廃止されない押印

私たちがよく行う手続きの中で廃止されない押印(署名)の例は以下の通りです。

・不動産・商業(法人)登記申請書への押印
・自動車の所有権登録に関する押印

多くの押印が廃止されているなか、どうしてこれらの押印は廃止されていないのでしょうか。それは、不動産や自動車の所有権といった重要な権利の移転に関する押印については、厳格な本人確認を行う必要があることを理由としています。また、商業登記の手続きについては、、会社等の信用維持、取引の安全と円滑を確保するために厳格な本人確認を行う必要があることを理由としています。

なお、国会で審議が行われている法律案が成立することによって、さらに多くの押印が廃止されることも見込まれています。(2021年5月現在)

Refarence
内閣府「規制改革実施計画」

本当に押印を廃止しても大丈夫?

押印の趣旨は「本人確認」、「意思表示」を証明する手段でした。このような機能を有する押印を廃止して本当に大丈夫なのでしょうか。また、「押印に代わる手段はあるの?」という疑問も出てくるかと思います。最後にこれらの点について説明していきます。

押印廃止による不安要素

押印を廃止することで、行政手続きを行う者の「本人確認」、「意思表示」が不十分になってしまうというような懸念が存在します。この点について、国民だけでなく行政も課題に感じているようです。政府はこのような懸念に対して、役所が押印の代わりに電子署名を求めることが可能であるとしています。また、電子署名以外の「本人確認」、「意思表示」の手段として以下のような例を挙げています。

・本人であることが確認された e メールアドレスからの提出
・ID/パスワード方式による認証
・本人であることを確認するための書類(マイナンバーカード、運転免許証等)のコピーや写真のPDFでの添付

本人確認方法としてのマイナンバーカード

ここまで見てきたように、押印の趣旨は「本人確認」、「意思表示」を証明することでした。他方で、押印以外にも本人確認手段は存在します。その一つが「マイナンバーカード」です。政府はマイナンバーカードを「最高位の公的な本人確認ツール」としています。このことから、マイナンバーカードは押印に代わる本人確認手段の一つとして考えられます。

また、政府はまた、政府はが押印に代わる手段として「電子署名」、「オンライン上でのマイナンバーカードのコピー(PDF)の添付」を例示しています。マイナンバーカードには電子署名を行う機能も内蔵されているため、行政手続きにおいてマイナンバーカードを用いることは、これからますます増えそうです。

Refarence
内閣府「書面規制、押印、対面規制の見直しについて」

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