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引越しワンストップサービスの課題は?仕組みも詳しく解説

マイナンバーカードを活用した「引越しワンストップサービス」が、にわかに注目されています。このサービスはそれまで複数の手続きを要していた転入・転出届けを簡略化すると同時に、マイナポータルを通じてそれらを極力オンライン化しようというもの。さらに民間企業とも協力し、電気・ガス等のライフラインの住所変更手続きも行えるように整備されつつあります。しかし、今の時点ではまだいくつかの課題があるようです。今回は引越しワンストップサービスにまつわる課題点を挙げていきたいと思います。

目次

引越しワンストップサービスの仕組み

まずは、引越しワンストップサービスの仕組みを簡単に解説していきます。

マイナンバーカードを所持している人は、マイナポータルを使って転出元自治体に転出届を、そして転入先自治体に来庁日時の予約をすることができます。

参考
デジタル庁|引越し手続オンラインサービス

転入届は来庁する必要あり

転出届を提出する際、国民健康保険や子育て、介護保険等の他の諸手続きにも届け出の内容が紐付けされます。それを転入先の自治体に申し込む際は、必ず申請者が来庁する必要があります。

つまり転出元自治体の窓口に行く必要はないものの、転入先自治体の窓口には行かなければならないということ。引越しワンストップサービスは、全ての手続きをオンラインのみで完結する仕組みにはなっていません。

「引越しワンストップサービス」とは?概要やサービスを使う手順を解説

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引越しワンストップサービスの課題・懸念点も

そんな引越しワンストップサービスですが、現状いくつかの課題があります。ここでは想定される課題・懸念点を挙げていきたいと思います。

課題① スマホやPCを持っていない人はどうする?

この行政サービスは、残念ながらスマホやPCの操作に慣れていない人、またはそれらの機器を持っていない人には優しいとは言えません。スマホの場合はマイナンバーカードに内蔵のICチップを読み取ることのできる機種である必要があり、これを持っていない人はスマホでのサービス利用はできません。

また、PCにマイナンバーカードを読み取るためのカードリーダーがない場合やオンライン環境がない場合も、サービスの利用は難しいのが現状です。

ただし、デジタル庁公式サイトには「マイナンバーカードを保有している方は、家族など本人以外のパソコンやスマートフォンからでもマイナポータルにログインし、転出届の提出等をすることができます。この場合、マイナンバーカードを保有している方本人が、暗証番号を入力して届出を行う必要があります」と書かれています。家族のスマホや市区町村の施設に設けられたPCからマイナポータルにアクセスすることも可能です。

参考
デジタル庁|Q10 スマホやパソコンを持っていませんが、マイナポータルを通じて転出届の提出等はできますか」

課題② ライフライン各社の対応に温度差

ライフラインを扱う民間企業と連携し、電気・ガス等のインフラストラクチャーの住所変更も一括して実施できるようにしようという取り組みが進められています。この仕組みが実現すれば、ライフラインの種類に応じて別個に住所変更の申し込みをする手間を省くことができます。

しかしこれは、2024年2月の時点では未だ実証実験段階のようです。地域や自治体によっても対応の温度差があり、このあたりの整備は未だ不完全と言わざるを得ません。

例として、京都市の公式サイトには「(※ライフライン等の民間手続については、今後マイナポータルとの連携が検討されます)」と記載されています。このように「今の時点では連携を検討中」という自治体が存在するのが現状です。

参考
京都市|引越しワンストップサービスが始まりました

課題③ 認知度の問題

引越しワンストップサービス自体が国民にどこまで認知されているのかという問題もあります。

引越しワンストップサービス自体は知っていても、上述の「転入届は来庁しなければならない」「ライフラインの住所変更は地域によって温度差」といったことは十分に浸透していない可能性があります。

このサービスは非常に利便性が高いものの、しっかりとした説明がなければ誤解を生んでしまうものでもあります。

さらに、「引越しの届け出をオンラインで実施できる」ということ自体を知らない人がいる可能性も想定されます。今後はそうした人に向けた分かりやすい説明・解説をしていく必要があるでしょう。

まとめ

これらの課題は、自治体としては早急に着手しなければならない問題でもあります。

特に「マイナンバーカードの読み取りができる機器の有無」に関しては、それだけで大きな格差が生じてしまいます。低価格のスマホの場合はICチップを読み取る機能を省いている場合が今も多く、引越しワンストップサービスは利用はできません。

そのあたりをどう解決するのか、状況に注視する必要があります。

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