マイナンバーカードを使った様々なオンラインシステムが整備されようとしています。今回の記事ではその中のひとつ、「運転免許証更新時講習のオンライン化」について解説していきます。運転免許証を更新する際、必ず講習を受ける必要があります。この講習をオンライン化し、自宅にいながら講習に臨める環境が整いつつあります。
オンライン講習の実践地域
マイナンバーカードを使った運転免許証更新時オンライン講習。今の時点ではまだ実証実験段階で、モデル事業の対象地域は限られています。
実施地域は北海道、京都府、千葉県、山口県の4道府県。その上で、以下のような条件もあります。
モデル事業対象者
オンライン講習に臨めるモデル事業対象者は、
・実施地域の公安委員会の更新連絡書があること
・受講及び免許証更新の時点で、実施地域に居住していること
・住所が実施地域のマイナンバーカードを持っていること
・実施地域の更新申請窓口で免許証の更新手続をする予定であること
が、主な条件になります。これらの条件は全て満たす必要があり、ひとつでも欠けている場合はオンラインでの受講はできません。
参考
北海道警察|オンライン更新時講習(優良運転者及び一般運転者)モデル事業の拡大実施について
モデル事業対象者
オンライン講習の動画は、24時間365日視聴することができます。動画はチャプターごとに区切られ、それぞれに確認テストが設けられています。
動画は途中で停止した場合、一定時間の経過でチャプターの最初からの視聴になります。ただし、視聴済みのチャプターはスキップ可能。時間をかけて数回に区切る視聴の仕方もできます。
参考
千葉県警察|オンライン更新時講習モデル事業に関するよくある質問集
優良運転者と一般運転者が対象
また、現時点ではオンライン講習は優良運転者と一般運転者が対象です。今年9月までは対象は優良運転者のみでしたが、10月から対象が広がり一般運転者もオンラインで受講できるようになりました。
オンライン講習の時間は優良運転者講習は30分、一般運転者講習は40分です。
対象にならない運転者
なお、このオンライン講習は違反運転者、初回運転者、そして高齢運転者は対象外です。これらに該当する運転者は、従来通りの免許センターでの講習に臨む必要があります。
違反運転者と初回運転者の講習時間は2時間の座学、高齢運転者のそれは座学の他に運転適性検査と実車指導を加えた2時間です。
一般運転者と違反運転者の違いは?
ここで、一般運転者と違反運転者の条件の違いについておさらいしていきましょう。
一般運転者とは、
・継続して免許を受けている期間が5年以上、かつ3点以下の軽微な違反が1回のみの運転者が対象
という条件です。一方で違反運転者は、
・違反が複数回あるか、または怪我のある事故を起こした運転者が対象
という枠組みです。
一般運転者と違反運転者の「大きな差」
以上を鑑みると、モデル事業実施地域に居住する一般運転者と違反運転者の間には極めて大きな差が生じてしまうことが分かります。
一般運転者がオンラインによる40分の講習を受けられる一方、違反運転者は免許センターに足を運び2時間の講習に臨まなければなりません。そして、現時点では違反運転者に対するオンライン講習の計画はありません。
この点が広く認識された場合、「今までよりも安全運転を心がける」という意識も共有されるのではないでしょうか。
マイナンバーカードを使った運転免許証更新時オンライン講習の注意点
ただし、オンライン講習を受けた場合も以下の点に気をつける必要があります。
視力検査・免許証受け取りは免許センターで
運転免許証の更新の際、必ず視力検査を受けます。これはオンライン講習対象者も変わらず、新しい免許証を受け取る際は必ず免許センターに赴きます。
参考
千葉県警察|オンライン更新時講習モデル事業に関するよくある質問集
一般運転者は「誕生日」に気をつける
また、一般運転者対象のオンライン講習は現時点では期間が設けられています。令和5年10月2日から令和6年3月31日までが実施期間です。
それに伴い、一般運転者の場合は令和5年10月1日以降に誕生日を迎えていることがオンライン受講の条件に入っています。令和5年9月31日以前に誕生日を迎える一般運転者は対象外です。