政府が運営する「マイナポータル」は、行政手続の検索やオンライン申請をワンストップで行うことができる便利なポータルサイトです。マイナポータルを利用することで、子育てや介護などの行政サービスから法人設立までスピーディーに手続きが可能です。そこで今回は、マイナポータル上でできることについて詳しく解説します。
こんな方におすすめ
✓マイナポータルをこれから利用したい方
✓マイナポータルのメリットについて知りたい方
この記事でわかること
✓マイナポータルでできることについて
✓マイナポータル上で今後可能になる手続きについて
マイナポータルの新設
マイナポータルは2017年1月に新設された行政手続の検索やオンライン申請、行政からのお知らせを受け取ることができるポータルサイトです。
マイナポータルは一部の機能を除きマイナンバーカードが必要になります。マイナンバーカードのICチップからログインを行い、スマホやパソコンからマイナポータルを操作することができます。
マイナポータルでできること
マイナポータルにログインすると、上のような画面が表示されます。自分の税情報や世帯情報、やりとり履歴などをチェックできるほか、様々なサービスが利用可能です。以下では、利用できる主なサービスをご紹介します。
「ぴったりサービス」とは?
マイナポータルの上部に表示される「ぴったりサービス」をクリックすると、お目当ての行政サービスを検索することができます。
「ぴったりサービス」を利用することで、マイナンバーカードを活用した電子申請も行えます。電子申請では、利用者が役所に出向く必要はなく、オンラインで申請が完結します。
また、以下の画像のように、子育てに関するワンストップサービスの対象は児童手当制度、保育制度、ひとり親支援制度、母子保健制度などとされています。
なお、マイナポータルにログインする際には、4桁のマイナンバーカードのパスワード(利用者証明用電子証明書)が、電子申請をする際にマイナンバーカードを使って電子署名する際には、6桁~16桁の英大文字+数字の組み合わせによるパスワードが必要となります。事前に確認するようにしましょう。
そのほかにも、介護、被災者支援などに関するワンストップサービスも提供されています。
やりとり履歴
やりとり履歴のメニューでは、自分の個人情報を行政機関同士でどのように利用しているのかを確認することができます。
やりとり履歴の確認項目は、個人情報に関する用途(審査・手続き等)、どの機関とのやりとりか、いつ・どのように利用されたのかなどです。
個人情報は本人に帰属すべきとの考えのもと、マイナポータルでは他者が自分の個人情報にアクセスした履歴を確認できる設計になっているのです
就労証明書の作成
就労証明書とは、働いていることを証明する書類のことです。
認可保育所の入所を申し込むときに添付が必要となりますが、マイナポータルを利用すれば下図のように作成依頼から市区町村への書類提出まで電子申請のまま手続きが可能です。
なお、就労証明書はマイナンバーカードがなくても利用することができます。
法人設立ワンストップサービス
法人設立ワンストップサービスとは、法人設立に必要な手続きの確認や申請に必要な書類の提出、申請状況の確認などができるサービスのことです。
ワンストップサービスでは以下の流れで法人を設立することが可能です。
サイトを訪れると、まずは自分に必要なサービスを特定するための問診が行われます。
その後、問診結果に合わせて表示される手続きを選択し、マイナンバーカードによる申請者の確認、申請へとワンストップで進めることができます。
外部サイトとの連携も可能に
マイナポータルでは様々な外部サイトとも連携しています。ここでは、e-Taxとねんきんネットについて詳しく解説します。
e-Taxとの連携
e-Taxとは、確定申告や税に関する各種証明書の作成・提出などをオンライン上で行うことができるシステムのことです。
マイナポータルはe-Taxと連携しており、マイナポータルの「もっとつながる」機能から連携させることができます。
両者を連携させることで、e-Taxへのログイン時に利用者識別番号と暗証番号の入力を省略することができ、メッセージの確認や 所得税、贈与税などの申告書や納税証明書、源泉所得税、法定調書などを作成することができるようになります。
また、年末調整や所得税確定申告手続きにマイナポータルを活用することで、必要書類のデータを一括取得し、作成する申告書に自動入力する機能も利用できます。
e-Taxを利用している方はぜひマイナポータルと連携させ、書類作成の手間を省きましょう。
ねんきんネットとの連携
日本年金機構が運営する「ねんきんネット」は、マイナポータルの「もっとつながる」の機能によってアクセスすることができます。
両者を連携させることで、マイナポータルにログインすれば「ねんきんネット」のユーザIDがなくても年金に関する情報の確認や手続きが可能です。
マイナポータルとねんきんネットの連携手続は最初の一度だけ行われ、二度目からはマイナポータルの「もっとつながる」をクリックするだけですぐにねんきんネットを利用することができます。
マイナポータルと「自己情報取得API」
マイナポータルでは、「自己情報取得API」を利用することができます。
自己情報APIを活用することで、行政機関の持つ自分の所得、世帯情報などの情報をマイナポータルに簡単に登録することができます。
「APIとは」・・・API(アプリケーション・プログラム・インターフェース)
ソフトウェアの一部を公開することで、外部のソフトウェアと機能や情報を共有する仕組みのこと
さらに、同意をした上でマイナポータルに自己情報を提供することで、外部のシステムにわざわざ自己情報をアップロードする必要がなくなります。
例えば、これまでは金融機関に所得などの自己情報を本人がアップロードする必要がありましたが、自己情報APIを活用することで本人が入力する必要はなくなります。
今後も機能が追加されるマイナポータル
平井デジタル改革担当大臣は、2021年6月1日の定例記者会見でマイナポータルのUI/UXを改善しリニューアルしたことを説明しました。
リニューアル後のマイナポータルでは一部使いにくいとの意見があったサイトのデザインなどを改善し、よりユーザーがサービスを見つけやすいように配慮がなされています。
また、同日から児童手当の現況届がマイナポータルから簡単に申請できる機能が追加されています。
当該記者会見ではねんきんネットとの連携の改善などにも触れられており、今後もユーザーの意見を取り入れて適宜改善が行われると予想されます。
新機能の追加や外部サイトとの連携強化により、マイナポータルはますます私たちの生活に欠かせない存在になりそうです。