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世界のマイナンバーカード制度|日本の制度と比較してみよう

マイナンバーカードは、行政のDX化には欠かせません。そして、「ICチップ搭載の公的身分証の発行・利活用」は日本のみで行われていることではなく、世界各国で同様の取り組みが実施されています。この記事では「世界のマイナンバーカード」というテーマで、具体的にどのような活用がされているのかを機能毎に区切って解説したいと思います。

こんな方におすすめ

  • 世界のマイナンバーカード事情について知りたい人
  • 日本と世界のマイナンバーカード制度を比較したい人

この記事でわかること

  • 健康保険証としてマイナンバーカードが利用されている国の事例
  • 銀行口座との紐付けや運転免許証としてマイナンバーカードが利用されている国の事例
目次

世界のマイナンバーカード|健康保険証としての機能

現代人にとっては欠かせない健康保険証。これをICチップ内蔵身分証と一体化する取り組みは、世界各国で行われています。

エストニア

世界最先端のデジタル先進国として知られるエストニア。日本のマイナンバーカードに相当するものは、この国では「eIDカード」とされています。

このeIDカードは健康保険証と一体化されています。エストニアではかかりつけ医の登録が義務化されていますが、このかかりつけ医の名前をオンラインで確認することも可能です。

なお、eIDカードは15歳以上の国民が必ず取得するものであり、15歳未満の子どもには欧州健康保険カードが発行されています。

参考
Health insurance
日本・エストニアEUデジタルソサエティ推進協議会「(1)エストニアの健康保険制度と健康保険証」
総務省「エストニアの電子証明書等について」

シンガポール

シンガポールのマイナンバーに相当する「NRIC番号」。それが記載されているカードは「NRICカード」と呼ばれ、15歳以上の国民に対して発行されます。

NRIC番号は、シンガポールの社会保障制度「中央積立基金(CPF)」の管理IDとしても活用されます。国民は医療機関でNRICカードを提出することにより、必要分の医療費がCPFから引き落とされる仕組みです。

参考
株式会社野村総合研究所|諸外国における国民ID制度に関する調査
一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR)|シンガポール国民や外国人居住者への登録番号制度について

世界のマイナンバーカード|銀行口座との「紐付け」

マイナンバーカードと銀行口座との紐付けは、「スムーズな公金受け取りを実現する」という効果をもたらします。

日本以外の各国でも、同様の仕組みを設けている例があるようです。

インド

現在、世界最多人口を抱えるインド。国民IDシステム「アーダール」は、各個人の銀行口座への迅速な公金・補助金支給を実現しています。実はこのアーダール自体が、インドの金融インフラの構築に一役買っています。

インドの農村部では自分の銀行口座を持っていない人が少なくなく、自分名義の口座を作りたくても公的証明書がない、ということもありました。

しかし、ここ数年でアーダールカードという政府発行の身分証明書が普及し、誰でも銀行口座を新規開設できる環境が整うようになりました。その銀行口座をアーダールカードと紐付けし、公金を受け取るという良い意味での相乗効果が発生しています。

これにより、悪意を持った人が公金を「中抜き」してしまうことを阻止する効果も生み出しています。

参考
NHK|なぜ普及?懸念の声は?“インド版マイナンバー”とは

運転免許証としての機能

日本では、マイナンバーカードと運転免許証の一体化に向けたシステム構築が進められています。 これと同様の仕組みが、海外ではどのように実現しているのか見ていきましょう。

オーストリア

オーストリアは、「ID Austria」というモバイル用デジタルIDシステムを整備しています。これとスマホアプリ「Digitales Amt」を活用したデジタル運転免許証が、既に運用されています。

交通管理の際、運転者はスマホアプリに表示したQRコードを警察官に提示します。それを警察官がスマホで読み取り、運転免許証の情報を閲覧する仕組みです。

参考
オーストラリア政府|App “Digitales Amt”
IISE海外における国民IDの先進事例と日本への示唆

日本はICチップ入りの証明書を無料発行している数少ない国

以上が海外のマイナンバーカードに相当する公的身分証明書の活用事例です。先進国のみならず、新興国でも行政手続きの効率化を促していることが分かります。

その中において日本は、ICチップ内蔵身分証を無料で発行している数少ない国でもあります。さらにマイナンバーカードの空き容量を生かした各自治体独自の利活用も実施されるようになり、マイナンバーカード自体がより便利な公的証明書として進化しています。

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