マイナンバーカードは、健康保険証として利用することができます。政府は従来型の紙の保険証を廃止する方針を既に打ち出し、将来的にはマイナンバーカードに一本化する予定です。それに向けて、全国の医療施設では「マイナンバーカード保険証を使ったほうが医療費が安くなる」という内容の取り組みを行っています。この記事では、マイナカード保険証(マイナ保険証)に発生する現状のメリットとデメリットを比較したいと思います。
こんな方におすすめ
- マイナンバーカード保険証を使った場合の医療費について知りたい人
この記事でわかること
- マイナンバーカード保険証を使うメリット
- マイナンバーカード保険証を使った場合、使わない場合の医療費につい
マイナカード保険証で医療費は安くなる? 高くなる?
デジタル化は効率化をもたらし、結果として様々なコストを下げる効果をもたらします。それはマイナ保険証も同様です。
法律改正により、マイナ保険証を使うことでメリットが得られるようになりました。
マイナンバーカード保険証で医療費が高くなっていた時期も
2022年9月末まで、マイナンバーカード保険証の初診追加負担額は21円(一般的な3割負担の場合)でした。しかし、従来の保険証のそれは9円で、マイナンバーカード保険証を使ったほうが高額になっていました。
「これではデジタル化の意味がないのでは?」という強い批判があったことは否めません。そうした声もあり、2022年10月からは方針が大きく変更されました。
現在はマイナンバーカード保険証を使ったほうがお得!
現在では追加負担額も改定されたため、マイナンバーカード保険証を使う経済的メリットがあります。
2023年4月から12月までの期間は、医療機関で、マイナンバーカードを保険証利用した場合は初診料6円、従来の保険証で受診した場合等は初診料18円の負担となり、マイナンバーカード保険証を利用した方が医療費を抑えられます。
参考
デジタル庁|よくある質問:マイナンバーカードの健康保険証利用についてQ4
マイナンバーカード保険証を使うメリット
マイナンバーカード保険証を使って、過去の診察・通院履歴をPCで即座に調べることができます。こうした仕組みが導入される以前は個人で通院履歴を管理・保管することは簡単ではなく、それ故に「かかりつけ医」以外の病院や医療機関を利用することにもハードルがありました。
マイナンバーカード保険証が、そのようなハードルを解消してくれます。
また、投薬情報もマイナンバーカードに紐付けされるため、全国どこの薬局へ行ってもまったく同じ情報をすぐに閲覧することが可能になります。
さらに、医療費が高額になってしまった場合の限度額適用認定証も、マイナンバーカード保険証を利用することにより不要になるメリットがあります。
参考
厚生労働省|診療/薬剤・特定健診等情報 について
厚生労働省|マイナンバーカードの健康保険証利用について
マイナンバーカード保険証のデメリット
その一方で、マイナンバーカード保険証に今でも対応していない医療機関や薬局も存在します。
政府は2023年9月までに対応完了を目指すとしていますが、マイナンバーカード未対応の医療機関を利用する場合は従来型の保険証が必要です。
そのため、マイナンバーカードと保険証の紐付けを行ったあとも、紙の保険証は大切に保管しておきましょう。
参考
厚生労働省|マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局についてのお知らせ
また、マイナンバーカードと保険証が一体化した場合、マイナンバーカードを紛失すると保険証も利用できなくなるというデメリットがあります。
現在のように、再発行までに最大2カ月程度かかってしまう場合、その期間保険証利用ができないことになり、生活に大きな影響がでる恐れがあります。
政府はマイナンバーカードの再発行を最長で10日程度に短縮する体制について検討していますが、現在では大きな懸念点のひとつとなっています。
マイナンバーカード保険証で今までの保険証はどうなる
マイナンバーカード保険証を手に入れたとしても、既存の保険証はそのまま利用することができます。ただし、健康保険証は、令和6年秋の廃止が予定されており、それまでにはマイナンバーカード保険証に移行する必要があるでしょう。
窓口でもマイナンバーカード保険証利用は開始されていますが、すべての医療機関や薬局で利用できるとは限りません。そのため、はじめてその医療機関を受診する際は、念のため、健康保険証とマイナンバーカード保険証の両方を持っておくと良いでしょう。
マイナンバーカード保険証に関する政府の改革を注視しよう
マイナンバーカードの保険証利用は世間でも大きな注目を集めており、移行期には多少の混乱や不具合も生じると考えられます。
しかし、デメリットばかりに注目せず、マイナンバーカード保険証による医療DXなどのメリット面にも注目し、適切な批判をするべきでしょう。
マイナンバーカード保険証への完全移行は2024年秋ごろを予定していますが、これまでに政府や自治体、医療機関はスムーズな利用環境を整えられるか、今後も注視が必要です。