2008年に制度が始まったふるさと納税制度。地域の特産品が自宅に届いて、「税金も控除できるみたいだからやってみたい…でも手続きが面倒くさそう…」そんなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。実際、ふるさと納税を行なっている人はおよそ2割。まだ8割の方がふるさと納税をしたことがないのです。そこで本記事では、ふるさと納税について紹介するとともに、手続き中のどんな場面でマイナンバーカードが役立つかについて説明します。
ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、都市部と地域の税収格差を減らすためにつくられた制度のことです。ふるさと納税では、寄付したい自治体を自分で選び、寄付先の地域の特産品をもらい、税金の控除を受けることができます。
この記事では、そんなふるさと納税でマイナンバーカードが必要かについて解説していきます。
ふるさと納税の流れ(4ステップ)
まずは、ふるさと納税の手順について紹介します。以下の4つの手順が必要です。
- 自分の控除上限額を調べる
- 自治体・返礼品を選んで寄付する
- お礼の品と書類を受け取る
- 控除の手続きをする
ここからは、ふるさと納税の手順について簡単に説明していきます。
自分の控除上限額を調べる

まずはご自身の控除上限額を調べましょう。
ふるさと納税では、1年間の寄付金のうち2000円を超える金額については、上限つきで税金を控除することができます。例えば控除上限額が50,000円の方だと、48,000円分の税金を控除できます。
つまり、ご自身の控除上限額を超えない限りは、実質的に2000円の自己負担でふるさと納税を行えるのです。
控除上限額は年収や家族構成など様々な要素によって変動します。そのため、まずはふるさと納税のポータルサイト等で自分の控除上限額がいくらになるかを調べましょう。
自治体・返礼品を選んで寄付する
ご自身の控除上限額が分かったら、寄付をしたい地域や欲しい返礼品などを基準に、寄付先を選びましょう。ちなみに、1月1日〜12月31日までの1年間単位で寄付金の合計金額が決まります。
お礼の品と書類を受け取る
申し込みをすると、ご自宅に返礼品と寄付金受領証明書が届きます。
この寄付金受領証明書は、後で確定申告の際に必要になります。大切に保管して起きましょう。
控除の手続きをする
最後に税金控除の手続きを行います。
手続き方法は2種類あり、1つ目は確定申告、2つ目はワンストップ特例制度です。
以下の条件に1つでも当てはまる方は、確定申告を行う必要があります。
- ふるさと納税以外にも確定申告が必要
- 年間の寄付先が6自治体以上
- 寄付先の自治体のうち、1ヶ所でもワンストップ特例の申請書を提出できなかった
申請方法は、税務署に確定申告書類と共に寄付金受領証明書を提出します。申請期限は、寄付した年の3月15日までとなります。
続いて、以下の条件に全て当てはまる方は、ワンストップ特例制度を利用しましょう。
- 確定申告が不要
- 年間の寄付先が5自治体以内
- 寄付先の全自治体に、ワンストップ特例の申請書を提出できた
申請方法は、寄付の申し込みをする度に寄付先に申請書を郵送します。同一自治体に複数回寄付をした際も、その都度申請する必要があります。1ヶ所でもワンストップ特例の申請ができなかった方は、確定申告を行いましょう。
申請期限は、寄付した翌年の1月10日必着です。
手続きの際、どんな場面でマイナンバーカードが必要か
次に、どのような場合にマイナンバーの手続きが必要かについて解説します。
確定申告

確定申告をする際は、主に以下の5つが必要です。
- 寄付金受領証明書
- 源泉徴収票
- 還付金受取用口座番号
- 印鑑
- マイナンバーカード、通知カード、マイナンバー入り住民票
マイナンバーカードがあれば、それだけで本人確認をおこなうことができます。もしマイナンバーカードがなければ、個人番号確認書類と身元確認書類の2つを用意する必要があります。個人番号確認書類とは、本人のマイナンバーを確認できる書類のことです。
(ちなみにマイナンバーとは、日本に住む全員が所持する12桁の番号のこと。マイナンバーが記載されたICチップ付きの”マイナンバーカード”とは違います。)
身元確認書類とは、記載したマイナンバーの持ち主であることを証明する書類のことです。
- 運転免許証
- 公的医療保険の被保険者証(健康保険証)
- パスポート
- 身体障害者手帳
- 在留カード
などのうちいずれか1つを用意しましょう。
ワンストップ特例制度
ワンストップ特例制度とは、確定申告をしなくてもふるさと納税の寄付金控除を受けられる仕組みのことです。
ワンストップ特例申請時には、以下の2つが必要です。
- ワンストップ特例制度の申請書
- 本人確認書類
本人確認書類は、個人番号確認用と身元確認用の2種類を用意します。
下記の3パターンからいずれかの方法で用意しましょう。
マイナンバーカードを持っている場合
個人番号確認用:マイナンバーカードのコピー(裏面)
本人確認用:マイナンバーカードのコピー(表面)
通知カードを持っている場合
個人番号確認用:通知カードのコピー、もしくは住民票(個人番号入り)のコピー
本人確認用:運転免許証など身元が確認できる書類のコピー
マイナンバーカードも通知カード持っていない場合
個人番号確認用:住民票の写し(マイナンバーの記載があるものに限る)
本人確認用:運転免許証など身元が確認できる書類のコピー
マイナンバーカードでふるさと納税をスムーズに
ふるさと納税で、1番重要かつ複雑な手順が控除手続きです。
マイナンバーカードがあると、1度に個人番号の確認と本人確認ができるため、住民票などの書類を用意する手間が省けます。
より詳しくふるさと納税について知りたい方は、各種ふるさと納税ポータルサイトで調べてみましょう。