石川県加賀市が139申請を電子化した裏側を一挙公開

みんなのデジタル社会を運営するxID株式会社は、石川県加賀市のDX推進を支援しています。そんな加賀市が令和2年度に139申請を電子化することに成功しました。本記事では、年度当初は電子申請が一切進んでいなかった加賀市が、どのように電子化施策を進めていったのか、一挙公開します。記事の巻末には、本記事で紹介するスライドを含んだ資料をダウンロードできるリンクもご紹介します。

目次

加賀市の課題

加賀市は、石川県の西端に位置する自治体です。人口は約6.5万人ですが、高齢化と若者の市外流出が続いており、2014年に「消滅可能都市」の一つとして指摘されました。これをきっかけに、市は「デジタルを通じて市民の利便性を向上させ、豊かな生活を実現する」という方向に舵を切ります。

特に、高齢者が多い加賀市において「移動」は大きな障壁です。プロジェクト立ち上げ期に行った課題抽出ワークショップにおいても、「行かない・書かない役所の実現」が、加賀市の課題を解決できることがわかりました。

申請の棚卸し

次に、電子化のニーズと実現性を把握するため加賀市が取り扱っている申請の一覧化(棚卸し)を実施しました。

実施方式としては、各課にヒアリングシートを配布して、埋めていただく方式を採用。ハンコレスの推進に関する調査なども合わせて、ヒアリングを複数回行い、申請の一覧化を行いました。

電子申請対象の絞り込み

更に一覧化した申請を絞り込みます。優先して電子化を進める上で、最低限満たす必要がある項目「必須要件」とその他に満たしていると望ましい項目「任意要件」を設定し、フィルタリングを進めました。

国や県が管轄している申請は、既にマイナポータルやコンビニ交付などでデジタル化が進んでいるものも多いです。そのため「市民により幅広い電子申請メニューを提供する」という観点から、市が管轄する申請に焦点を当てて、電子化対象の区分けを進めました。

参考:国と自治体との役割分担

住民票の写しは、加賀市の中でも申請数が多く、電子化を望む声が少なからずありました。一方で住民票の写しの申請は既にコンビニ交付がサービスとして利用でき、加賀市が独自に電子申請化するよりも、UX(住民利便性)が良いことが図式化することでわかりました。

「一つひとつの申請件数が多いもの」を重点的に電子化する役割は国に委ね、自治体として、「一つひとつの申請件数は少ないが、申請メニューを充実化させることで、最終的な利便性を向上させる」という方向に舵を切り、自治体と国・県の役割範囲を明確に区別している点も、加賀市の特徴と言えるかもしれません。

電子署名を要求するか判断

申請の中には、ハンコを要求していたものもあれば、ハンコが不要で記入して提出するだけのものもありました。加賀市はハンコレスの推進の最中にあることもあり、棚卸しした申請の中で押印規程があるのか、またそもそも規程は本当に必要なのかを見直し、電子認証や電子署名の要否を判断しました。

フォームを電子化

今回、電子申請のプラットフォームとしては、株式会社トラストバンクが提供する「LoGoフォーム電子申請」を採用しました。LoGoフォームは、ノーコードでフォームを作成することができる電子申請プラットフォームで、xIDはその電子認証・電子署名部分(従来の紙申請でいう本人確認と押印に当たるプロセス)で連携しています。

申請フォームは電子化を担当するスマートシティ課が、各課の申請をいくつか電子化してサンプルを示し、その後は各担当課の職員が電子化を進めました。結果として約60%の申請が各担当課の職員によって作成されるという結果となっています。

結果:139申請が電子化

電子申請の提供は2020年8月から開始。徐々に対応メニューを充実化させ、最終的に令和2年度の電子化件数は139件となりました。うち約66%にあたる申請が電子認証・署名を要求するものとなっています。

驚くべきことに、このプロジェクトの推進を担当した加賀市のメンバーは2名。各担当課への説明やデモ実演を一貫して担当し、最終的に各担当課のメンバーが自ら電子申請フォームを作成できる環境を実現しました。

また、加賀市が公開しているメニューの一例を以下に公開します。最新の電子申請メニューは加賀市公式サイトからご確認いただくことが可能です。

プロジェクト推進上の課題と解決策

電子申請を急ピッチで進める中で直面した課題は数知れず・・・。その中でも特に以下でご紹介する課題は手強いものが多かったです。結果的に真摯に担当課の職員さんや、関係各所に向き合うことで、解決の糸口を見出しています。

特に加賀市は宮元陸市長が最前線に立って電子化を進めている稀有な自治体です。トップダウン・ボトムアップの両方のアプローチを採用し、最終的に電子化を進めることができました。

今後の展望

令和2年度は139件が電子申請化された加賀市ですが、既に来年度に向けて動き始めています。電子申請に関しては今年度に積み残した申請の電子化を進めるべく、各担当課との調整や、プラットフォームを提供するトラストバンク社との連携を深めています。

また加賀市は電子申請の他にも、電子投票やe-Residency(電子市民)など、デジタル領域全般の取り組みを進めていくことを公言しています。「デジタルを通じて市民の利便性を向上させ、豊かな生活を実現する」という加賀市の挑戦は、まだ始まったばかりです。

資料のダウンロード

本記事でご紹介したスライドを含む、加賀市の電子申請プロジェクトの報告資料は以下のボタンからダウンロードいただくことが可能です。

xID株式会社は、自治体の電子申請のみならず、電子投票や施設予約、更には民間サービスまで、これまで「ハンコ」や「身分証」を使ってきたあらゆるサービスを、安全性をそのままに電子化することが可能です。

本資料を通じてxIDにご関心を持ってくださった方は、是非xID株式会社の問い合わせフォームよりご連絡ください。

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