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平井大臣の答弁内容を解説!! マイナンバーカードの必要性や普及率の現状は?

平井大臣アイキャッチ画像

2021年4月19日、参議院決算委員会にて、平井卓也デジタル改革担当大臣はマイナンバーやマイナンバーカードに関する答弁を行いました。この答弁は現在国によって進められているマイナンバー制度のメリットや現状について端的にまとめられた答弁であり、私たち国民が今後のマイナンバー制度のあり方を考える上で示唆に富む内容となっています。そこで今回は、平井大臣の答弁内容やキーワードについて解説を交えながら、マイナンバー制度の現状について振り返っていくことにしましょう。

こんな方にオススメ

  • マイナンバーカードの普及状況について知りたい人
  • 政府が進めるマイナンバー制度の必要性について知りたい人

この記事でわかること

  • マイナンバーカードの普及状況
  • マイナンバー制度の必要性

平井大臣の答弁は以下の動画で確認できます。

目次

マイナンバー制度の現状

今回の参議院決算委員会では酒井庸行議員から平井大臣にマイナンバー関連の質問がありました。まず、酒井議員はマイナンバーカードの普及に関する以下の質問をしています。

マイナンバーカードを基盤としたデジタル社会をなんとか実現するためには、これまでの取り組みをどう捉えて評価しているか、あるいは障害となっている問題点を早急に洗って対応しなければ、カードの確実な普及、活用も進まないと考えます。どのような認識を持っているかお伺いしたい。

2021年4月19日参議院決算委員会

この質問に対する平井大臣の答弁を以下で掘り下げます。

マイナンバーカードの現在の普及状況とは?

マイナンバーカードの普及に関する酒井議員の質問に対して、平井大臣は以下のように回答しています。

確かにマイナンバー制度全体で見ますと、カードの普及枚数は我々が想定しているよりは少し遅いです。しかしながら、ここにきて急激に国民の理解が進んで、多くの方々が申請していただいているとということは我々としても歓迎したい

2021年4月19日参議院決算委員会

まず、マイナンバーカードの交付枚数率を見てみると、2017年3月時点では8.4%と低調でしたが、直近の2021年4月のデータでは28.3%にまで上昇していることが確認できます。

総務省公表資料をもとに作成

2021年に入ってからの急激な交付枚数率の上昇は、マイナポイントマイナンバーカードと保険証の一体化証明書のコンビニ交付利用時の活用など、マイナンバーカード普及施策の実施や周知活動などが影響していると考えられます。このように交付枚数率の向上の成果から、平井大臣は国民から一定の理解が得られたと発言したと考えることができるでしょう。

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一方で、「想定していたよりは少し遅い」と言及しているように、現状のマイナンバーカード交付枚数率は国が想定した普及スピードよりは低調であることも事実です。2021年3月におけるマイナンバーカード交付枚数は3,344万枚であり、2019年9月に開催された「デジタル・ガバメント閣僚会議(第5回)」における6,000~7,000万枚の予測を下回る結果となっています。

政府は2022年度までにほぼ全ての国民がマイナンバーカードを保有することを目指しており、依然として施策の理解や周知を徹底する方針です。

なお、最新のマイナンバーカード交付枚数などの情報は総務省のホームページや平井大臣のTwitterアカウントから確認することもできます。

https://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/#kouhu

Reference
デジタル・ガバメント閣僚会議(第5回)資料1
総務省ホームページ

日本のデジタル化の課題とマイナンバー制度の必要性

加えて平井大臣は、日本のデジタル化に関する課題やマイナンバー制度の必要性を次のように答弁しました。

そもそも日本のIT化、デジタル化というのは、IDなきまま今までやってきたために、非常に中途半端なサービスしか提供できていない上に、非常に基盤が脆弱だったと思っています。デジタル社会を作っていくためには、個人の特定一意のID(マイナンバー)ですね、そしてマイナンバーカードはネット上で本人であることが確認できる、唯一の国がトラストアンカーになってやる正に認証基盤だと思います。

2021年4月19日参議院決算委員会

この答弁を詳しく解説していきます。

「個人の特定一意のID(マイナンバー)」のメリットとは

まず、「日本のデジタル化はIDなきまま今までやってきた」という部分ですが、ここで言う「ID」とは識別子(Identifier)のことを指します。識別子とは、あるものを他のものと区別する文字列や数字のことです。

マイナンバー制度が整備される以前は、複数のサービスにまたがって本人を同一人物と特定することは困難でした。これは、個人に紐づけられた統一のIDが存在しないため生じていた課題です。

個人が複数の識別子を保有できる状態だと一人一人を識別することが難しいため、行政手続きなどでは一人にひとつの識別子を割り当てることで重複しない個人の特定を実現させる必要がありました。この国民一人にひとつだけ割り当てられた識別子のことを「マイナンバー(個人番号)」と呼ぶのです。

国民が割り当てられたマイナンバーを活用して行政サービスを利用することで、人間違いやなりすまし等のリスクを防止しつつ、円滑な行政サービスの提供が可能になります。

トラストアンカーとは?

もう一度平井大臣の答弁の当該部分を見てみましょう。

マイナンバーカードはネット上で本人であることが確認できる、唯一の国がトラストアンカーになってやる正に認証基盤だと思います。

2021年4月19日参議院決算委員会

「トラストアンカー」とは、電子的な認証を行う際に置かれる信用の基点のことを言います。つまり、何に基づいてその人の存在を信頼するのか、ということです。電子的な認証はインターネット上で行われ、通信相手が本人であるか確認したり、電子データが変更されていないか確かめるために行われます。

政府では、行政サービスをはじめとする様々な手続きにおいて、マイナンバーカードをトラストアンカーとして活用してもらうことを目指しています。トラストアンカーを政府が提供することで、マイナンバーカードはデジタル・アナログ世界で信頼性の高い最上位の身分証として利用することができます。

出典:公的個人認証サービス及びマイナンバーカードを巡る最新の動向|総務省

マイナンバーカードのICチップには本人であることが確認できる4情報(氏名、住所、生. 年月日、性別)が電子証明書として格納されています。この電子証明書がトラストアンカーの役割を担うことで、住民は申請書の提出や各種オンラインサービスでの個人証明に活用できます。この電子証明書を活用すれば、運転免許証等のコピーを郵送したり、オンライン上で提示する必要もありません。

また、マイナンバーカードのICチップ機能が活用できる領域は行政分野だけに留まりません。2020年10月に行われた日本ブロックチェーン協会(JBA)およびFintech協会との面談では、平井大臣は金融のオンライン取引にマイナンバーカードをトラストアンカーとして利用活用してほしいと発言するなど、決済手段などの社会的インフラへの活用も期待されます。

Reference
業界団体が続々と平井デジタル担当大臣詣で――Fintech、ブロックチェーンも

マイナンバー制度はデジタル社会のインフラとなる

マイナンバー制度の整備やマイナンバーカードの普及は、社会保障・税制度の効率性・透明性を高め、国民の行政手続きなどの利便性を向上させることを目的に推進されてきました。

新型コロナウイルスの影響もあり、多くの手続きや決済が非対面のオンライン上で進められるように変化している中、マイナンバー制度の整備は正にデジタル社会のインフラと言える重要な部分と言えるでしょう。

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