はじめに
2023年3月末時点で、日本国民の75%を超える普及率を持つようになったマイナンバーカードに関する話題が、ニュースやSNSのトレンドに絶え間なく登場しています。中でも最近注目を集めているのが、「2023年のGW(ゴールデンウイーク)にマイナンバーカードの一部機能が止まる!?」という噂です。マイナンバーカードは現在、各自治体が公的個人認証を活用したサービスをリリースし、行政手続きや電子申請には欠かせない存在となっています。
本記事では、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)や各自治体からのお知らせを読み解きながら、SNSやネットで話題になっているマイナンバーカードのGW期間中の動向について解説していきます。自治体職員の方、マイナンバーカードに関係する事業者の方、GW前にマイナンバーカードの更新を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
マイナンバーカード用電子証明書の発行等業務の停止とは
SNSや界隈で話題になっているのは、マイナンバーカードの公的個人認証サービスを運営しているJ-LISが令和5年1月26日に発表した「マイナンバーカード用電子証明書の発行等業務の停止」のお知らせです。
参考:J-LIS「市区町村窓口におけるマイナンバーカード用電子証明書の発行等業務の停止について」
お知らせによると、2023年4月29日(土)~5月7日(日)の期間、公的個人認証システムの更改作業の実施に伴い、市区町村窓口におけるマイナンバーカード用電子証明書(署名用電子証明書及び利用者証明用電子証明書)の発行、失効、更新等の全ての業務が停止されるとあります。
つまり、役所の窓口やマイナンバー総合フリーダイヤルで対応できない行政手続が発生する可能性があります。対応できない手続きについては、各自治体で独自にお知らせがされているようです。
【自治体独自のお知らせの例】
・松戸市「マイナンバーカードに関する手続きの一時停止について」
https://www.city.matsudo.chiba.jp/kurashi/todokede/jyuuki_net/ithiziteishi.html
・神戸市「マイナンバーカードの手続き停止」
何が話題になっているのか
GW期間に一部の行政手続きに対応できない旨は各自治体から事前に発表されており、広報誌や公式ホームページで公表されるなど対応策が取られています。その中で話題となっているのは、マイナンバーカード用電子証明書の失効業務が制限されることに対する懸念です。
SNSや投稿を見る限り、失効業務の停止により、一部のサービスが利用できなくなることに対して、利用者からの不便や影響を懸念する声が多いようです。
マイナンバーカードは現在、行政手続きや電子申請に欠かせないツールとして普及しており、失効業務の停止による影響についての話題が広まっているようです。
マイナンバーカード用電子証明書の失効とは
失効とは、効力がなくなることを意味します。
マイナンバーカード用電子証明書には、署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書の2つがあり、それぞれに有効期限が設定されています。失効業務の停止とは、これらの電子証明書の有効期限の更新が一時的にことストップすることを意味します。
失効申請をする場面としては、例えばマイナンバーカードを紛失してしまった場合に行います。
失効申請により、紛失されたカードの電子証明書を無効にし、不正利用を防止することができます。
しかし、失効業務の停止期間にマイナンバーカードを紛失してしまうと、新たな電子証明書の発行が一時的にできなくなるため、ある問題が起こるのではといわれています。
マイナンバーカード用電子証明書の失効業務停止からくる影響
マイナンバーカードを紛失した場合、マイナンバーカード機能停止のお手続きが必要となりますので、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)へ連絡が必要です。
マイナンバーカードの紛失、盗難などによる一時利用停止については、24時間365日受け付けられていますが、失効業務が5月7日まで停止しているため、署名用電子証明書の有効性は維持されたままになります。
その期間に機能停止の手続きをしても、署名用電子証明書の失効まで数日のタイムラグが生まれてしまうため、この期間に公的個人認証サービスに依存する事業者が、一部サービスを制限するのではないかとSNSやネットで噂になっています。
参考:J-LIS「お電話でのお問い合わせ」
SNSやネットで見かけた疑問質問へ回答
SNSやネットで見かけた疑問質問を一部ピックアップし、分かっている範囲でお答えします。
Q.マイナポータルログインもできなくなるの?
A.マイナポータル公式サイトを見ると、停止期間中に、マイナポータルへログインすることは可能のようです。公式サイトの「お知らせページ」を確認すると、「マイナポータルはご利用いただけます」と明記されています。しかし、機能が一部停止するため、引越しで住所が変わる方や結婚等で氏名が変わる方、またマイナンバーカードの紛失・一時停止の解除を行った方は、通常の手続きができないことに留意してくださいと記載されています。
詳細情報は下記のマイナポータル公式サイトをご覧ください。
参考:メンテナンス・重要なお知らせ | マイナポータル
Q.自治体に提供している民間サービスの電子申請は使えるの?
A.こちらは事業者に依存するため、各業者にお問合せください。例えばマイナポータルは稼働しますし、みんなのデジタル社会を運営するxIDの電子申請サービスも期間中に使用できます。今回の失効業務の停止は、各事業者が想定していた機能が一部使用できなくなるため、各事業者によって異なります。お知らせや最新情報を見ても分からない場合は、事前に問い合わせをすることをおすすめします。
Q.マイナンバーカードで本人確認ができなくなるの?
A.公的個人認証サービスを活用した本人確認は、今回の一部機能の停止には含まれていませんので、引き続き利用が可能です。ただし、先述のように公的個人認証サービスを利用する事業者によって対応が異なる可能性があります。
Q.一部できなくなる手続きってなに?
A.ゴールデンウイークに期間中、マイナンバーカードの電子証明書(署名用電子証明書および利用者証明用電子証明書)の発行、失効、更新に関する手続きには、未処理の手続きや制限がある場合があります。詳細については、お住まいの自治体の公式サイトをご確認ください。
【自治体独自のお知らせの例】
・明石市「ゴールデンウィーク期間中にできないマイナンバーカードの手続きについて」https://www.city.akashi.lg.jp/shimin_kenkou/shimin_ka/goldenweekmynumbercard.html
・大津市「ゴールデンウイーク中のマイナンバーカードに関するお手続きについて」
Q.マイナ健康保険証は使えるの?
A.デジタル庁の「新着・更新情報」を見ると、マイナンバーカードの健康保険証としての利用は、2023年4月29日(土)から5月7日(日)の期間も、可能とのことです。
参考:デジタル庁「GW期間中のマイナンバーカード関係手続の一部停止について」
https://www.digital.go.jp/news/3522a0c5-e007-4a9b-95a2-fa3fa24a7f7c/
Q.マイナポイントの申込はできるの?
A.デジタル庁の「新着・更新情報」を見ると、マイナポイントの申込は、2023年4月29日(土)から5月7日(日)の期間も、利用可能とのことです。
まとめ
SNSやネットで話題になっているマイナンバーカードのゴールデンウイーク期間の使用について、マイナポータル公式ページやJ-LIS公式サイトの情報を参考にまとめました。
公開されている情報だけでは判断できない部分があったり、これから新しい情報が続々公開されると思いますので、不明な点があれば発行元に問い合わせることをおすすめします。