マイナンバーカードにはICチップが搭載されており、このICチップの空き容量を利用した取り組みが全国の自治体で展開されています。この記事では、全国の自治体の「マイナンバーカードの空き容量を生かしたサービス」について触れていきます。
マイナンバーカードの「空き容量」とは
あらゆる記録媒体には「容量」という概念があります。これはデジタル機器に関する技術的知識のため、難しく感じてしまう人もいるかもしれません。
ここでは、本棚の隙間にたとえてみましょう。
この本棚には本が収納されていますが、左端には若干の余裕があります。このスペースには何を置いても構いません。辞書を置く人もいれば、漫画を置く人もいるはず。
マイナンバーカードも同様に、自治体によって自由に空き容量を活用することができます。
空き容量を活用したサービスの例
マイナンバーカードのICチップの空き容量を活用する事例は、以下のようなものがあります。
- 図書館利用カードとしての活用
- 社会保障や災害時に活用
- 割引サービスやクーポン券、タイムカードとしての活用
空き容量を図書館利用カードとして活用
公立図書館で本を借りるのに必須の図書館利用カード。この機能をマイナンバーカードに搭載し、本の貸出が行えるようにしている自治体が増えています。
マイナンバーカードは非接触型認証に対応しており、図書館の貸し出しカウンターに専用の認証端末を置くことで、カウンターを無人化することができます。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からも、非常に画期的なサービスです。

社会保障や災害時に活用
「マイナンバーカードの空き容量を活用する」という取り組みは、三条市のみならず今後全国の自治体に広がるでしょう。
自然災害が頻発する日本において、「非常時の行政サービスの電子化」はもはや避けて通れないもの。行方不明者の人数や被災家屋の数を迅速に把握することにより、被害の大きさを即座に知ることができるようになります。
三条市では災害時に避難所の受付にマイナンバーカードを提示することで、避難世帯員全員を一括で受け付けすることができる仕組みを導入しています。
これにより、効率的かつ的確に安否確認を行うことができます。
その他サービスの割引やクーポン券、タイムカードとして活用
他の自治体では、はり・きゅう・マッサージ施術券の電子化やタクシー運賃の助成等、公的援助による割引サービスにマイナンバーカードを活用する例があります。
いずれもマイナンバーカードの非接触型認証機能を生かしたサービスですが、同時に自治体によってその内容が異なるという点にも注目するべきでしょう。その自治体がマイナンバーカードを上手に活用しているかどうか、IT分野の推進に熱心がどうかを知る手掛かりにもなります。
前述の三条市は、そうした取り組みに対して非常に熱心な自治体です。市民に対するサービスだけでなく、市職員に対するサービスも実施しています。市営施設、小中学校、保育所での職員の出退勤管理にマイナンバーカードを利用しています。
※詳しい事例については国土交通省の資料をご覧ください
資料1 国内におけるICカードの利活用事例
