自治体DX推進手順書とは

総務省は、2021年7月7日に「自治体DX推進手順書」を公表しました。これは、地方自治体が着実にDXに取り組めるように作成されたものです。この記事では、手順書の概要を解説した後に、DX推進手順の内容について具体的に解説します。

こんな人におすすめ

  • 自治体DX推進手順書について知りたい方
  • 自治体DXについて知りたい方

この記事でわかること

  • 自治体DX推進手順書の内容
目次

自治体DX推進手順書の概要

ここでは、自治体DX推進手順書の概要について説明します。

そもそも「DX」とは、デジタル・トランスフォーメーションの略であり、簡単に言うと、ITの活用を通じて組織を変革しつつ、顧客のニーズを満たすことで競争力を向上させることを意味します。「DX」は、これまで民間分野で積極的に取り入れられてきた印象があるかと思います。これを、国や自治体などの行政機関で積極的に取り入れる動きがあり、「自治体DX」とされています。

自治体DX推進手順書は、4部構成となっています。それぞれに特徴があり、自治体DXを推進する上で重要な情報が記載されています。

政府は、2020年12月に「自治体DX推進計画」を策定しました。手順書は、この推進計画を踏まえて、自治体が着実にDXに取り組めるように作成されました、

手順書は、総務省に設置されている「地方自治体のデジタルトランスフォーメーション推進に係る検討会」において作成されました。この検討会には、産官学の構成員が所属しているため、手順書もさまざまな視点を取り入れられたものとなっています。

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DX推進の手順

ここでは、手順書のうち、「自治体 DX 全体手順書 【第 1.0 版】」について、紹介します。

全体手順書は、「DXを推進するに当たって、想定される一連の手順を示すもの」であり、4つのステップが示されています。

総務省「自治体DX推進手順書 概要」

ステップ0 DXの認識共有・機運醸成

ステップ0は、まだDXに取り組んでいない自治体に対して示されています。特に、DXを速く・正確に進めるためには、「DXの実現に向け、首長や幹部職員によるリーダーシップや強いコミットメントが重要」、「首長等から一般職員まで、DXの基礎的な共通理解の形成、実践意識の醸成」が重要になります。この点について手順書では、具体的な取組事例を挙げながら解説しています。

ステップ1 全体方針の決定

ステップ1では、DX推進の全体方針をビジョン及び工程表から構成することが示されています。国は、DX推進のビジョンを「「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~」としており、住民に身近な行政を担う自治体の重要性を指摘しています。手順書では、工程表のイメージなどを示しながら、全体方針の決定のポイントを指摘しています。

総務省「自治体DX推進手順書 概要」

工程表のイメージでは、令和3年度から令和7年度までの5年間の取り組み内容が示されています。項目は、「BPRの取組みの徹底」、「自治体の情報システムの標準化・共通化」、「自治体の行政手続のオンライン化」などがあります。「BPRの取組みの徹底」が一番上に位置付けられている理由は、「業務内容や業務プロセス、さらには組織体制を含めて抜本的に見直し、再構築するいわゆる BPR の取組みが、DX の成果を決定づけるから」とされています。自治体DXは、複数項目を複数年かけて実現可能なものであることが工程表から読み取れます。

ステップ2 推進体制の整備

ステップ2では、推進体制の整備を組織・人材の両面から検討する必要性が示されています。組織について、DX の司令塔としての役割を果たす DX 推進担当部門を設置すること、また各業務担当部門をはじめ各部門と緊密に連携する体制を構築することの重要性が指摘されています。また人材について、自治体の各部門の役割に応じたデジタル人材を職員として適切に配置することなどの必要性が指摘されています。

手順書では、自治体の具体的な取組事例も多く紹介されています。例えば、DX推進担当部門の設置について、「奈良県橿原市」、「福島県西会津町」、「山形県舟形町」、「山形県酒田市」の事例が取り上げられています。橿原市では、独立した DX 推進担当課を設けており、西会津町では、企画担当課内に DX 推進担当を設けています。また舟形町では、総務担当課内に DX 推進担当を設けており、酒田市では、情報政策担当課内に DX 推進担当を設けています。

自治体 DX 全体手順書
【第 1.0 版】18頁

ステップ3 DXの取組みの実行

ステップ3では、関連ガイドライン等を踏まえて、DXの取組みを計画的に実行することが示されています。関連ガイドライン等には、「自治体の行政手続のオンライン化に係る手順書【第 1.0 版】」や「地方公共団体におけるテレワーク推進のための手引き」などが含まれており、手順書に参考資料として記載されています。

手順書ではDXの取り組を実行する際のポイントとして、以下のポイントが示されています。

個別の DX の取組みの実行に当たって、各自治体において、PDCA サイクルによる進捗管理を行うこと
DX の推進に当たって、柔軟で、スピーディーな意思決定が求められる場合には、「OODA(ウーダ)ループ」のフレームワークを活用すること

まとめ

この記事では、自治体DX推進手順書について解説しました。手順書は、自治体が「自治体DX推進計画」に沿って、DXに取り組む際の重要なポイントが示されています。特に、「自治体 DX 全体手順書 【第 1.0 版】」では、自治体の具体的な取組事例を挙げられていることが特徴であるといえます。現状では、【第 1.0 版】ということですので、改訂版にも注目する必要がありそうです。

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