デジタル庁が進める「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは

2021年9月に創設される予定のデジタル庁では、様々な分野でDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されることになっています。そこで本記事では、DXの概要やDXが日本に必要とされる背景、デジタル庁によってどのようにDXが進められていく予定なのかを解説します。

こんなかたにおすすめ
✓DXについて知りたい方
✓デジタル庁が進めるDXで何が変わるのか知りたい方

この記事でわかること
✓デジタル庁が進めるDXの内容
✓DXが進むことで行政や住民が得られるメリット
✓DXが進むとどのような社会になるのか

目次

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

まずはDXの定義や日本にDXの推進が求められている背景について解説します。

DXの定義

DX(デジタルトランスフォーメーション)は様々な定義が存在しますが、簡単に言うと、ITの活用を通じて組織を変革しつつ、顧客のニーズを満たすことで競争力を向上させることを指します。

ここで言う「組織」には企業だけでなく行政など公的な組織も含まれており「顧客」には企業の取引先や消費者だけでなく行政サービスを受ける住民も含まれています。

例えば、政府の電子化が進んでいるエストニアでは、手続きのオンライン化などにより、役所の窓口に「行かない」・「待たない」・「書かない」が実現されています。

行政にとってDXを進めることは、住民ニーズを把握し、ITにより社会課題を解決することに繋がります。

Reference
IDC Japan、2018年の国内IT市場の主要10項目を発表
DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

行政にDXが必要な理由

2020年12月25日に決定された「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」では、新型コロナウイルス感染症の対応としてデジタル化の遅れが課題だとし、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」が方針として示されました。

本方針では、すべての人がデジタル化の恩恵を受けられるように行政サービスなどをオンライン上で手続きしたり、情報を得られるようにDXを進めることが掲げられています。

また、「デジタル・ガバメント実行計画」においても、デジタルを利用できる人とそうでない人に生まれる様々な格差である「デジタルデバイド」を解消する必要があるとし、高齢者などにも優しいデバイスの設計が掲げられています。

デジタル化の遅れを解消し、地域住民が平等に行政サービスの恩恵を受けられるようにするためには、国や自治体がDXを進め、制度や組織の在り方をデジタル化に合わせて変革していくことが求められます。

Reference
自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画
デジタル・ガバメント実行計画  

デジタル庁が進めるDXで何がかわる?

では、デジタル庁がDXを進めることで住民の生活はどのように便利になるのでしょうか。デジタル庁のDX関連業務から考えてみましょう。

政府の「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」によると、デジタル庁がDXを進める領域は以下の通りです。

では、これにより私たち地域住民はどのようなメリットが得られるのでしょうか。

マイナンバー制度の整備により手続きが便利に

行政のDXを進める上で重要な課題がマイナンバー制度の整備です。

デジタル庁ではマイナンバーカードの普及促進やマイナポータルの環境整備、マイナンバーを扱うシステムの整備などを行うことで、DXを推進する予定です。

例えば、マイナンバーカードの交付率は2021年2月1日現在、25.2%となっていますが、政府は2022年度末までにほぼすべての国民に行き渡ることを目標としています。

これらの業務を通じて、住民側はマイナンバーカードで給付金や各種手続きのオンライン申請ができるようになったり、マイナポータル上で個々のニーズに応じた行政サービスの情報を受け取ることが可能になります。

住民のメリット
✓各種手続きのオンライン化
✓それぞれに応じた行政サービス情報の提供

Reference
自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画
マイナンバーカードの市区町村別交付枚数等について(令和3年2月1日現在)

国・地方のITシステムを改善することで手続きが便利に

デジタル庁では、各省庁で導入されているITシステムを統合したり、各自治体でバラバラに導入されているITシステムを統一する業務を担います。

これにより省庁間、自治体間の情報のやり取りをスムーズにすることができ、行政側は人的・財政的負担の軽減が、住民側はサービスの利便性向上が期待できます。

例えば、自治体の業務のうち、住民基本台帳や税金に関する業務のITシステムを全国で似たようなシステムに揃えることで、自治体ごとにカスタマイズをする費用が削減できます。

結果として、自治体職員が窓口業務や個々の住民への対応に時間を充てることができるようになり、住民サービスの向上が期待できます。

住民のメリット
✓自治体業務の効率化による住民サービスの向上

Reference
地方自治体業務プロセス・情報システム標準化の取組について
自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画

サイバーセキュリティの実現で安心できる体制に

自治体のデジタル化を進めると、「情報が流出しそうで怖い」と感じる方も少なくないでしょう。

このような不安を解消するためには、DXの推進とともにセキュリティ対策にも力を入れる必要があります。

デジタル庁ではセキュリティ対策の専門チームを設置し、デジタル庁が整備・運用するシステムの安全性を検証したり、内閣サイバーキュリティセンター(NISC)と連携して国の行政機関システムへのセキュリティ監査を行います。

このように、デジタル庁は国民に関する重要な情報を保護する役割も担います。

Reference
自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画

すでに進んでいるDX

ここで、すでに行われている行政のDX事例を紹介しましょう。

住民票などの各種証明書はマイナンバーカードを使ってコンビニなどで発行することができます。

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また、石川県加賀市では様々な行政手続きをオンライン化することに取り組んでおり、助成金の申請などがオンライン申請できるようになっています。

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このように、行政のDXが進めば、役所の窓口にわざわざ足を運ぶ負担は解消されるでしょう。

DXは日本の社会課題を解決するキーワード

DXはデジタル化が遅れていると言われる日本全体の問題であり、行政分野もITに対応した様々な改革が求められています。

デジタル庁は省庁や自治体のDXを推進する役割を担い、住民サービスの向上や行政の効率化を目指しています。今後もデジタル庁の動きに注目していきましょう。

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